説明会の女

開く
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 「お帰りには、パンフレットご用意してありますので、どうぞお持ち帰りください」
 「それから、個別のご相談に応じておりますので、ご相談のおありの方はこの部屋にお残りください」

 部屋に残った人はいなかった。
 パンフレットもほとんど残っており使い回しには十分だった。
 「ご苦労さん」
 
 午後3時。時間が空いた。
 
 直帰していいよといわれ街を歩くことにした。

 実は、ゆうべあまり寝ていない。
 コネで入ったマルマル証券。
 私は「姫」と呼ばれていた。
 でも、それは、セクハラで失脚したおじへの皮肉だった。
 手のひらを返したように社内での風圧が高まった。
 ホテルでお偉いさんのお相手をしていた。
 白いチン毛が一本見つかった。抜こうとすると痛がった。
 苦労しているのね。
 悲しくなって、笑けてきた。

 「あんた。説明会に来てた人じゃないか?」


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