たった一度の過ちが、、
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もう10年前に話になってしまいます。
私は港の近くの診療所の看護師をしていて主人は食品会社の営業をしていました。
結婚5年目でまだ子供はいなく、もうそろそろ子作りに励もうかなと思っていたころでした。
診療所の先生は「早く子供を作らないと、真奈美さんももう30だろ。」と言ってからかうのです。
「先生、私はまだ29歳です。私が今妊娠したらこの診療所はどうなるんですか。先生は患者さんが困っていると夜中でも船に乗って島に行ってしまうし、あくる朝には患者さんが来るというのに、、」
「まあ、その時はその時だ。待てる患者は待って貰えばいい。待てない患者は他の病院へ行ってみて貰えばいい、それだけの話だ。」
この診療所の先生は59歳、腕はいいのですがお人好しなんです。
この前も港に近い島の患者がお腹が痛いと言って来て、夜中に船に乗って島に渡ったら二日前に作ったおかずが少し傷んでいて、軽い食中毒だったんです。
先生は「これで済んで良かった。まあ体を大切にな。」と言って帰ってきたんですが、その時に「ここは離島なんだから食べ物には気を