年下ばかり 加筆
2007-11-03
ショーウインドウには白いくびれたボディに赤いレースのブラとショーツだ
けを身に着けた、顔と手足のないマネキン。
ドアから見える左の壁には、まるで南国の蝶のように艶やかで妖しい色合
いの、キャミソール・スリップ・オールインワンを吊るしたハンガースタンドの列。
右のガラスケースにも色とりどりの下着が陳列されている。
そして奥には何人かの女性客と店員……。
(ダメだ。やっぱりこんなとこ入れないよォ……)
あと一歩踏み出せば自動ドアが開くという店先で、須藤まことは泣きそうな
顔で立ちすくんでいた。右手に提げた学生カバンが小刻みに震えていた。
まことは十七歳。地元では中高一貫の進学校として名高い私立成宮学園の
高等部二年生だ。
胸に校章を縫いつけたカッターシャツに緑のネクタイ、グレーのスラックスに
包まれた身体は、世間が抱く「いい学校(とこ)のお坊っちゃん」のイメージを
裏切らな