妻だけに

開く
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家のお見合いで婚約した茶道部の部長が突然訪ねてきた。何でも結婚話が急に進展して式場や新婚旅行の予約が始まり彼氏に拘束される時間が増えて忙しくなったそうだ。「お願い。もう時間が無いの。はしたない女と承知してのお願いです。子種のお流れを私にも下さい。今日は危険日の真ん中。絶対に妊娠できます。」と妻にせがみついた。彼女は真剣そのものだった。妻は子供を求める彼女の気迫に押されて「あなた、どうしましょう。」とおろおろしながら聞いてきた。彼女はこちらを見ると「私が愛しているのはあなた。私はこの10年あなたを愛し続けてきたことに気がついたの。だからこれから何十年も何があってもあなたを愛し続けられるわ。」本当に切実な訴えだった。長い重い沈黙を破ってやっと言葉が出た。
「いや、君はご主人と愛を育てなければならない。ご主人と本当の恋人にならなければならない。目先の愛に安易に飛びついてはいけない。君は愛情深い女性だ。きっと上手く行く。ご主人の子供を産みなさい。」彼女は妻の胸で号泣した。「私は捨てられた。もうおしまいよ。」「何を言っているんだ。これから新婚生活が、新しい人生が始まるんじゃないか。過去は今夜うちにおい


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