屈服の円舞曲(序章)
2012-09-07
ビッシャンッ!!
骨まで響くような乾いた音が辺りに響き渡った。
村松徳之は平手打ちされた頬を抑えもせずに、口元を怪しく歪めた。
「きっつい性格してんじゃん、いいねぇ、なかなか面白いよ。」
そんな村松を凛とした表情で睨みつけている女は、
15歳の村松と比べれば、ずっと上の年齢に見える。
しかし、その容姿は清純派女優のように繊細で整った顔立ちをしていた。
活発そうに艶やかな黒髪はアップにまとめられ、しなやかな白い首筋に目を奪われ、
白いコットンのワンピースに細身のジーンズというラフな服装でありながらも
そのプロポーションの見事さは際立っていた。
「村松君!」
思い切り頬を打って痺れた手を摩りながら、その女、宇都宮若葉は言葉を繋いだ。
「もう、バカなことはやめなさい!」
「弱い者を虐めて何が楽しいの?。 空しいだけだということは