チビでデブでネクラな彼女に・・・
2010-11-17
「……あら、真菜美?真菜美じゃない!」
そう呼び掛けられて振り返り、私は思わず目を疑った。
久々に会った高校の同級生の祐子は、なんと男と一緒だったのだ。
これが驚かずにいられるだろうか。なんたってあの祐子である。
チビでデブでネクラだった彼女。ビン底のようなメガネに油でギトギトの髪――いやでも思い出されるセーラー服姿の祐子の記憶をなんとか追い払い、私は目の前の光景に意識を戻す。
それはにわかには信じがたいものだった。
ふんわりとパーマがかった明るい色の髪。モデルのような抜群のスタイル。先ほど颯爽と外したサングラスを今は胸元に引っかけ、着ている服はおそらく上から下までブランド物。
祐子の顔は誇らしげで輝いているようにさえ見えた。
私はなんとか動揺を押さえた声で言う。
「ほんと、久しぶりね!えーと、隣の彼は…