腕を這うもの
2006-03-20
この実話は怖いというかキモイというか…虫の嫌いな方は読まない方が良いかも知れません。
僕の実家には花壇を造るような庭が無かったので、僕の母はプランターに様々な植物を植えて楽しんでいました。
僕もたまに植物の手入れを手伝いました。僕の好きなクチナシの花は春先や初夏には葉に蝶の幼虫が付くので箸で摘んで駆除したりしていました。
さて、それは今から十数年前の異常に暑かった夏の夜の出来事です。
その日の夜も気温が下がらず、茹だるような熱帯夜でした。でも僕はエアコンが苦手なので窓を開けて網戸にして汗だくになりながら寝るのです。
僕は暑さに辟易しながらも、窓の外のすぐ近くに置いてあるプランターのクチナシの花から漂ってくる甘い香りを嗅ぎつつ、いつしか眠りに落ちていました。
どのくらい寝た頃でしょうか。
僕は自分の体に何かの感触を感じて眠気が覚めました。
まだ眠くて朦朧としながらも感触がどこから来るのか意識を集中し、その感触が左腕なのだという事に気