目覚め
2010-12-19
大学一回生の冬だった。
そのころアパートで一人暮らしをしていた俺は、寝る時に豆電球だけを点けるようにしていた。
実家にいたころは豆電球も点けないことが多かったが、アパートでは一つだけあるベランダに面した窓に厚手のカーテンをしていて、夜はいつもそれを隙間なく締め切っていた。
だから豆電球も消していると、夜中目が覚めた時に完全に真っ暗闇になってしまい、電球の紐を探すのも手探りで、心細い思いをすることになるのだ。それが嫌だったのだろう。
ある夜いつものように明かりを落とし、豆電球だけにしてベッドに倒れ込んで、眠りについた。夜中の十二時くらいだったと思う。
それからどれくらい眠っただろうか。
意識の空白期間が突然終わり、頭が半分覚醒した。目が開いていることで自分が目覚めたことを知る。
あたりは夜の海の底のように静かだ。天井の豆電球が仄かに室内を照らしている。何時くらいだろうか。
壁の掛け時計を見