世界一の息子・最高のダンナ
2011-12-07
闘うパパ・内柴が最高の笑顔、支えた妻「最高のダンナ」
観客席に金メダルを掲げてみせる内柴選手=竹田津敦史撮影 【北京=梅村雅裕】「チャンピオンなのに、なんで勝てないの?」。4歳の息子からそう聞かれた父親は、金メダルで応えた。
柔道男子66キロ級で連覇を成し遂げた内柴正人選手(30)。決勝戦の畳を下りると、観客席に向かって「ひかるー、ひかるー」と息子に叫び、最高の笑顔で手を振った。
日本応援団の席には、妻あかりさん(28)に抱かれた輝(ひかる)ちゃん(4)がいた。
決勝戦こそ相手を抑え込んで一本勝ちしたが、オール一本勝ちで初めての栄冠を手にしたアテネ五輪の時ほどには技に切れもなく、相手の動きも読めなかった。でも、左右に動いて相手を揺さぶり、納得の柔道を貫いた。
「柔道をやっているのは、家族のため」ときっぱり言う。練習と減量がきつく、若いころはなぜ苦しみに耐えるのかと、自問自答する日々だった。アテネ前に結婚したのは、守るべき家族がほしかったからだ。