正しい子供の洗い方
2009-09-25
僕は先生の顔からヘッドマウントディスプレイを外した。
焦点の曖昧な視線はそのままに、彼女は宙を眺めている。
「では北條先生、僕が三つ数えて手を叩いたら、貴女は目を覚まします……
1、2、3、はいっ」
僕は掌を叩き、彼女を催眠状態から戻す。
「あっ……」
「どうしたの?」
僕が甘えるような声(普段ならこんな声で話しかけたりはしない)で聞くと、
先生はこちらを向いて微笑みかけた。
「なんでもないのよ、たー君。ママちょっと居眠りしてたみたい」
(よし、成功した)
さて、現在の状況を説明しておこう。
僕は某高校に通う学生で、目の前に居るのは学校の教員である北條瑠璃子先生。
ここは北條先生のマンションだ。
今僕は、彼女に催眠術を仕掛けた。&n