余命1年の親友に、俺の嫁を嫁がせて新婚生活させた2
2016-03-11
日奈子と拓也の夫婦生活と、俺の奇妙な同居生活は、あっという間に1週間が過ぎた。おかしなもので、たかだか1週間で、生活のスタイルが出来上がったような感じだった。
『悠斗さん、朝ご飯出来てるわよ〜』
俺が寝ている部屋のドアの、すぐ向から日奈子の元気な声がする。俺は、いま行くと言いながら、ベッドから抜け出した。ここ1週間、睡眠不足気味なので、少しボォっとしている感じだ。
日奈子と拓也は、言ってみれば新婚だ。毎晩繰り返される夫婦の夜の生活……。俺は、毎晩のように壁に耳を押し当てて盗み聞きしてしまう日々だった。
リビングにいくと、すでに拓也は起きていてコーヒーを飲んでいる。
「おはよう。寝癖凄いぞ」
拓也が、俺の頭を見て笑いながら言う。1週間前にこの生活が始まった時は、あんなに緊張して申し訳なさそうだった拓也も、今ではすっかりとこの家の主という感じになっていた。俺は、拓也におはようと言いながら、コーヒーを飲み始めた。
『はい、いっぱい食べてね!』