どこでもないドア

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2008-10-29

いつもと変わらない日だった。
目覚まし時計が騒ぎ出す少し前に目が覚めて。
顔を洗って、歯を磨いて、少しだけご飯を食べて、着替えて。
ああ、今日は少しだけ早めに家を出たんだっけ。
いつもの星占いで、『いつもと少し変化をつけると素敵なことが』って書いてあったから。
中学生でいられる最後の年齢にもなって、占いを信じてる自分をバカだなって思うけど。
なにかに縋っていないと不安定な自分も分かっていて。
半信半疑…ううん、ほとんど諦めてる不謹慎な占い信者になっていたのかもしれない。

それでも、やっぱり変化なんかなくて。

朝の空気は冷たくて。
深く息を吸うと肺が痛くなるくらい。

バスの中の顔ぶれは、2年半前とほとんど変わらない。
眠そうなサラリーマン。
元気な小学生、化粧をする高校生。
クラスメート。
変化がないっていうのはとても安心できることだけど、反発したい自分と

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