古きよきヤンデレ

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2009-12-27

 祖父母の一周忌を終えての話。じいちゃんが亡くなった後すぐばあちゃんも追いかけるように逝ったから、一周忌はお寺さんに頼んで、まとめてやってもらった。

 じいちゃんばあちゃんの家に、結婚の報告をしに行ったときのこと。
 報告しおわって、現旦那を駅まで送っていって。私はそのままじいちゃん家にもどり、一晩泊まることになった。
 ちょうどその前の日、わたしは仕事で失敗して爪をちょっと割ってしまっていた。
「おまえそれどうしたんでや」と、じいちゃん。
「あんた女の子なんだから爪は大事にしなきゃいかんよ」と、ばあちゃん。
 でも、そう言うばあちゃんは、左手の小指の爪がない。長く生きてれば爪のひとつふたつ、なくなることもあるのかな?と思って、とりたててたずねたこともなかったのだけど。
 そのときは、気になったから聞いてみた。するとびっくり。
「あたしのこれか?こりゃあこの人が出征するときにひっぺがしてくれちったんだよ」
「なんでそんなことしたの!?」
 想像しただけで

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