犬の檻 (バトル1)

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2013-05-04

高校2年の夏休みに。田舎にある父の実家に遊びに行った。いつもは両親といっしょなのだが、父が小指を骨折して通院しているので、自分だけが行くことになった。JRで1時間。バス停から歩いて20分。林に囲まれた道の途中に人家はない。途中の崖の向こうにJRの列車が見える。首に巻いたタオルが汗を吸ってくれる。

『久しぶり、健ちゃん、暑かったでしょ。どうぞ、上がって。』
「おじゃましまあす。」

そこには従姉妹で同じ学年の未央がいた。その日は伯父も伯母も隣町に出かけていて、家には未央一人だった。未央は白のTシャツにショートパンツ姿のボーイッシュな格好がまぶしく、可愛かった。実は、自分一人だけでもあえて来たのは、未央に会いたかったからだ。当時は女子と話すのは苦手で、ぶっきらぼうにしかできなかったが、未央には自然に接することができた。

家にあがってしばらく、エアコンの効いた応接間で、出されたジュースを飲みながら未央と楽しく話していたが、2時を過ぎたころ、近所の男の子が自転車で遊びにきた、小学生の3人組だ。


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