母の手帳

開く
2008-07-27

 一人っ子の私は、両親にとても愛されながら育ってきた。   特に母は私を可愛がり、私が何か失敗をしたり、ちょっとした悪さをしたりしても怒ったりせず、ニコッと笑って許してくれた。 親としては少し甘いのかもしれないが、私はそんな母が大好きだった。 
 ある日、学校から帰って来て、リビングでテレビを見ていると、電話が鳴った。母からだった。   「真奈美、今スーパーに買い物に来てるんだけど、冷蔵庫にニンジンがあるか、ちょっと見てくれる?」 私は「ちょっと待ってね」と言いながら、キッチンに向かった。
 そして冷蔵庫を開けようとした時、あるモノが目に留まった。 冷蔵庫の上に置かれた、一冊の手帳。 あれ? と思いながら、私は冷蔵庫を開け、ニンジンがあるかない

お勧めの体験談