最後までは出来なかったなぁ
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あれは土曜日の朝の出来事。前日の夜に会社の同僚と飲んで朝帰りした時の
ことだった。
六本木から某私鉄の始発に乗って、到着したキーステーションで次のJRで
爆睡状態の彼女がいた。俺も朝帰りだからフラフラだけど、すかさず彼女の
横をキープ。周囲の状況を確かめると、既にそこそこの時間になっていたこ
ともあって、疎らに乗客がいて大胆なことは出来ない。様子を伺いながら乗
っていたけど、こっちも睡眠不足の為にあえなく撃沈。気づいたときには地
元駅をすっとばして終点だった。
終点のアナウンスで目が覚めた俺は、周囲の乗客が降りていく中を横目でみ
ると、まだ彼女はそこに居た。相変わらず爆睡中のようだ。どうやら彼女も
朝帰り、かなり飲んで帰ってきた様子だった。
いい人を演じつつ彼女を起こし、終点に着いたことを告げると、ゆっくりと
立ち上がりフラフラと車両を降りていく。後ろから見守りながら様子を見て
いると、更に下る電車の前に立ち次の電車を待っている