続・少女を誘拐してみた

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2014-08-15

3月30日夕刻。
 食事を終えた後、俺は布団を敷き、ユウちゃんをその上に横たえ両手両足のガム
テープを、外してあげた。
「ん……」
 不安そうに上半身だけを起こすユウちゃんを、ビデオカメラで撮影する。
「ユウちゃん、笑って」
「ん……」
 俺にそう言われると、ユウちゃんは目をぱちぱちさせながら、口元をぴくっとだ
け動かし、作り笑いを浮かべた。
「かわいいね」
「……」
 しかしその笑顔は1秒ももたず、また絶望の表情に戻った。
 泣くでもなく、怒るでもなく、笑うでもない。半開きの口で、はー、はー、と息
をしながら、放心状態でカメラのレンズを見ている。
 その目に、それが映っているのかすら怪しいが。
「カメラ見て、自己紹介して」
「ん……」
「お名前は?」
「やました……、ゆう……」
 ユウちゃんは掠れた声で、そう呟いた。
「何歳?」

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