先輩のお願い
2011-09-19
高校帰りの自宅前。
昼寝昼寝、などと考え僕が門を開けようとすると。
「ちょっと待って!」
遠くから、女性の大きな声が。
後ろを振り返ると、1つ年上の池内先輩が駆け寄って来る所だった。
色白の肌に長い黒髪。
166、7cmのスラッとした体型。
けど脚にはムッチリと、適度に脂肪がついている。
ちょっとエッチな体つきの人だ。
「はあはあ……」
エッチな体つきとは裏腹に穏やかで、清楚な女性らしい女の子。
そんな先輩が慌てた様子で、息を切らせて走ってきた。
……これは、ただごとではない。
そう、僕は直感した。
「お願い、聞いてくれない?」
そう言った先輩の声は、間違いなく震えていた。
僕と池内先輩の視線が正面で絡み合う。
先輩の真剣そのものの、まなざし。
思った通り、事態はかなり重大みたいだ。
心の準備は出来ていない。