彼女
2009-12-27
初めて彼女を見たとき、僕はあんまり綺麗なので息を飲んだ
人形かと本気で思ったくらいにその肌は白く透けていて、色素の薄い髪とその髪と同じ色をした瞳は驚く程大きかった。
生きていると信じられなかったから、彼女が振り向いて目が合った時には心拍数がハネ上がって思わず声が上擦った。
「エ、映画研究会の部室ってコッ、ココでイイの!?」
長いまつげに縁取られた大きな瞳が見開かれて、薄いピンク色の唇から発せられた第一声は、けれど予想を大きく裏切っていた。
「ぎゃははははは
何だ少年、顔真っ赤だぞー?どっか悪いのかー?精虫ちゃんといんのかー?ちゃんと射精(ダ)してるかー?」
可愛い外見からは全く想像がつかない反応に僕は開いた口が塞がらなかった。
これが僕等の初対面。
今じゃあの時いくら僕が瑞菜(ミズナ)のことを知らなかったとは言え、一瞬でもトキメイタなんて誰にも言えない。学内で瑞菜を女として見てる男なんて皆無なのだ。学内での瑞菜は女の皮を被ったオヤジ。女子更衣室に堂々と入り込める唯一のオトコなのだ「先