死の淵から その2 -田中-
2013-08-24
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田中は3ヶ月ほどかけて、私(桂木)の様子を見ながら少しずつ話しくれました。
----田中の話----
桂木には偉そうなことを言ったが、正直あの諒子さんが桂木を裏切るとは思えなかった。
俺の家庭も決して不仲ではないが、彼らは魂が呼び合うといってもいいぐらいの仲で、正直羨ましいと感じていたのだ。
俺は病院を出ると急いで桂木の家に向かった。
時間はもう6時半を回っていた。
桂木の家には誰もいないような気がしたが、駐車場を見るとちょうど諒子さんが子供を車に乗せている最中だった。
このまま放っておいたほうがよさそうなものだが、桂木の落胆振りを見ると、どうしても放って置けなく、余計なお世話だと分かっていても諒子さんに事情を聞かなければならないような気がしていた。
俺は車を降りて諒子さんに挨拶をし、「ちょっと時間もらえないか?」と話をすると、今から実家に子供を預けに行くのでと断られました。
「桂木から全部聞いた。俺は桂木のあんな姿見たことがない。俺には話せないなら、