コラム『おしりぺんぺん』
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ぼくが子供のころに『おしりぺんぺん』が流行しました。
おかしな現象ですが、遊びの一環として流行ってしまったのです。
まだ10歳のぼくはその中心にいました。
もちろん怒る大人たちはもちろん真剣そのものでした。
家でいたずらをしたり食べ物を粗末にしたときは母親が。
小学校でけんかをしたり宿題を忘れたときは先生が。
してはいけない事をしたとき、いい子になれという願いをこめてぼくたちに『おしりぺんぺん』していました。
罰の程度は家によってまちまちでしたが、小学校ならば先生のあたりはずれで決まります。
ぼくたちの担任の『おしりぺんぺん』は痛いと評判になるほどで、実際やられてみると飛び上がるほど痛かったのです。
大人と子供の体格差があるとはいえ、小柄な女性で見た目はまったく怖くありません。
なのにどこにそんな力があるのか不思議なほど、パシン!パシン!と大きな音を教室に響かせていました。
クラスの大半はその罰をおそれてあまり目立った悪さはしなくなりました。