思い出の懐中時計
2006-10-18
小学生の頃、学校の帰り道にある「美原時計店」のウィンドウに飾ってある懐中時計をいつも見ていた。
なんだかとてもカッコいい感じがしたのだ。飾りの細工に竜の絵が彫ってあり、いつかほしいと思っていた。
「こんにちは。どうしたのかな?いつも見てるね君」
いつの事だっただろうか。いつものように懐中時計を見ていたら不意に声をかけられた。
意表をつかれた小学生の俺は思わず叫んでしまった。
「うわああ!!」
「あらあら。びっくりさせちゃったかな。あたしね、この店の店長さんだよ」
顔を見上げるとそこには20代前半くらいの女の人が立っていた。
ショーットカットの髪がとても似合っていて、笑顔が印象的だったのを覚えている。
「こ、こんにちは」
「こんにちは。あたし、ちゃんと挨拶できる子好きよ」&n