虎と馬

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 類は友を呼ぶというか因果応報自業自得というかそれは避けられないことだったのか今でもあの時の顛末を語り尽せるかわからない。

 「ケンちゃん、ケンちゃんじゃあないか」

 大学に入った時、やや遅すぎた感があるがとりあえずホッとしていた。悪夢のような高〇時代に区切りをつけこれからは明るく生きていこうと、少なくともゼロからのスタートと心に決めていた。

 「鏑〇くん。また音楽をやろうぜ」

 桜の花が満開の時節柄、入学式を終えた後ふと立ち寄ったサークル勧誘の一角で声をかけてきたのは高〇時代の軽音楽クラブで一緒にバンドを組んでいた時にヴォーカルだった小暮さんだった。

 「なんだか奇遇だなあ。キーボードの八木〇もいるんだ」

 「それからドラムの猪〇さん。ときたら鏑〇君はサイドギターだよね」

 ほんとに立ち眩みがして倒れそうだった。こういうのをデジャブーっていうのか。

 「よおお。ボン、ボンじゃあござんせんか」

 突然背後から現れたのは伝説のリードギターヤリ逃げのケンちゃんだった。

 「その女ミニ、目に染


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