元妻の告白3
----/--/--
パンプスを履き、コートを急いで着るとバックとハンカチを持って部屋を出ようとして『もし、店に誰かいたら』と思うと急ぎ足で歩けない・・音を立てないようにドアを閉め、ゆっくりとフロアに向かって歩いた。出口は一つしかない。誰もいない真っ暗なフロア・・一番小さな照明をつけるとカウンターの上に鍵が置いてあった。『私が最後に店を出ることを分かっていて鍵を置いてあるの?この鍵を誰に渡せばいいの?』何も答えが見つからない。『早く帰らないと』・・時計を見る余裕がなかった。自分の車に入って時計を見てみると11時半を過ぎていた。こんな遅くなってしまったことを夫になんと
言えば・・彼女のお店を手伝うのに10時半までには必ず帰宅することが条件だった。このまま帰宅して夫の前に身体を表すのが不安だった。まだ一度も明るいところで自分を見ていない。化粧や髪は乱れてない?服は汚れてない?と思うとこのまま帰れなかった。駐車場までにある24時間営業のコンビニのトイレに入った。鏡に映る自分の顔、ルージュが乱れている。顎にも頬にもルージュが薄く筆でなぞったように着いている。『キスされた・・顔中をなめられた?もしかして胸も・・』ブラウスの