風邪を引いた妹を看病しているうちに・前編
2019-10-18
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「本当にあんたが帰ってて良かったわ。お母さん、今日の会議はどうしても休めないの。おかゆは作ってあるから頼むわね」
「わかったよ、母さん。佑香のことはまかせて」
玄関先で僕は答えた。
冬休みが明けて、中学校が始業式の日、妹の佑香が風邪を引いて寝込んでしまったのだった。
帰省中の僕は下宿に帰るのを遅らせて、妹の看病兼留守番を引き受けることにした。
「佑香も、柄じゃないのに長風呂なんかしてるから、風邪を引くんだわ」
「まあ、あいつも年頃になってきたんじゃないかな。今日から学校だから綺麗にしたかったんだろう」
「うーん、あの子も色気づいてきたのかしらね。じゃあ母さん行ってくるわ、お兄ちゃんなんだから、ちゃんと妹のこと看病してね。遊びに行ったりしちゃダメよ」
「わかってるって、いってらっしゃい」
バタンとドアが閉まり、母が出ていく。
「さてと・・・」
僕は本を抱えて妹の部屋に向かった。
「うーん、うーん」
佑香は自