あやかし緋扇小説60

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陵の体を、優君にかしてから陵をまとう雰囲気が今までと違う気がする。
笑顔が笑ってるように見えない。
もし…優くんがそのまま陵の体を乗っ取ってたら…?
いくら優くんとはいえ、霊に体を貸したなんて、こんな非常識で危険なことをしてたなんてさくらちゃんには相談できない。
あたしは誰にも相談できずに1人で悩んでいると、陵が男子にからまれて校舎裏の人気のないところに連れていかれてるのが見えた。
嫌な予感がして、あたしは慌てて陵のあとを追いかけた。
すると、陵に絡んでた男子が真っ青な顔をして逃げていくのが見えた。
あたしに気付いた陵は、さもおかしそうに
「未来さん、あの人たちこんな木の根っこに驚いて逃げちゃったんですよ?おもしろいなぁ…」
とクスクス笑っていた。
あたしはとっさに陵が手に持っていた扇子を奪おうとした。
「なんですか?これは僕の扇子ですよ」
「違う!これは陵の扇子だ!」
「僕は僕だって言ってるのに…どうして信じてくれないんです


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