奇才監督・ヘンリー塚本「貧困にこそエロスが」
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──監督の作品は昔から近親相姦がテーマとしてよく取り上げられています。今でこそAV市場で近親相姦は人気ジャンルのひとつになっていますが、昔はなかった。初期の頃、禁断のテーマに挑戦することで弊害などはありましたか?
「弊害はなかったです。でも、ビデ倫を通す苦労はありました。たとえば、実際の父と娘がやるというのは倫理的にダメですから、ビデ倫は通してくれないんですよ。そこで、血のつながりがないという設定にしないといけないので、テロップを入れるなり、セリフで説明しないとダメでした。僕の頭の中では実際の父と娘という感じで描いている作品も、そのような設定で撮っていました」
──なぜ近親相姦だったのでしょう。
「通常のセックスものなら、世の中には石が転がるがごとくあるわけです。でも、なさそうであるのが近親相姦なんです。特に昭和の時代はそういう話が結構あったんです。男尊女卑で男が強かった時代、娘に手を付けちゃう親父もいたわけですよ。娘はやられて嫌がるけど、やられているうちに快楽をおぼえ