愛ちゃん痴漢
2007-07-18
毎日の事とはいえ、うんざりするのも無理はない。
疲れて座りたくとも、座るどころか、
一度乗車したら、足を曲げることも出来ず、
目的地まで直立不動のままマネキンの様に立っているしかないほどの満員電車だ。
そのサラリーマンも毎日面倒な上司と生意気な部下に挟まれ、鬱々とした気分で満員電車に乗っていた。
「はぁ…溜め息しかでねぇ。揚げ足取りだけは一人前のバカ上司、口だけの生意気な後輩」
などと考えていたら、自分の胸部に柔らかい長い黒髪をたたえた女性の頭部が当たっているのに気がついた。
その女性は小柄で華奢な作りの体に似合わず豊満なバストだった。
疲れきっているらしく女性自身も気づかぬまま、サラリーマンに寄りかかっていた。
「すっげぇ、スタイル」
などと若干、興奮しつつ、見るとその女性は、階藤愛子だった。
テレビで見るのと同じ長い睫に黒目がちな潤んだ瞳、さくらんぼのように瑞々しく
ぷりっとした形の良い唇、まるで生きる人形かのようだった。