保育園のミカ先生

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2016-08-29

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俺の子供が行く保育園にはミカ先生がいる。
表情も態度も柔和そのもの。
芸能人で言えば、木村多江に似ていた。

ある日、俺が一人でスーパーに行くと、「あの・・・」と、声を掛けられた。
咄嗟に誰か判らなかったがミカ先生だった。

「ああ、こんばんは。買い出しですか?」

時間は午後4時半。
買い出しにしちゃギリギリ遅い。

「い、いえ。買い出しと言うほどじゃないんですけど・・・」

彼女の手には弁当があった。
勝手に料理上手みたいなことを思っていた俺は苦笑いしてしまった。

「たまには弁当もいいですよね」

赤面するミカ先生をよそに、俺はそそくさと買い物を済ませた。
出口へ向かうと、タバコの自販機の脇にミカ先生がいた。

「あ、先生。さようなら~」

「はい!また来週もお願いします!」

一瞬足が止まったが、今日は土曜日なので来週ということだろう。

俺は車に乗り、スマホを開いた。


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