思い続けた幼馴染みがチャラい先輩と完
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うるさいくらいにセミが鳴いている。空には怖いくらいの大きな入道雲が浮かんでいて、真っ青な青空がまぶしい。
じりじりと肌を焼くような日差しの中、虫取り網を持ち、虫取りかごを肩から斜めがけにした麦わら帽子の少女を、後ろから追いかけている僕。
帽子からのぞく髪は短く、半袖のシャツから突き出ている腕も、短パンから伸びている長い足も、真っ黒に日焼けしている。
追いかけながら、僕はどこに行くんだろう? なにをしているんだろう? と、一瞬パニックになった。
でも、あの後ろ姿は間違いなく幼馴染みのみなみだ。
あぁ、今日は夏休みで、また一緒に河原に虫を取りに行くんだなぁ……と、思うと同時に目が覚めた。
『おはようw なんか、笑ってたよw』
目を開けると、みなみが優しい笑みを浮かべて、僕に話しかけてきた。あれ? 虫取りは? と、一瞬パニクったが、目の前にいるみなみは大人だった。そこで、自分が夢を見て寝ぼけていたことを理解した。
みなみとは、幼稚園の頃からの筋金入りの幼馴染みだった。なかなか気持ちを打ち明けられない僕だった