屈服した男勝り女社長、悔し涙の屈辱接待
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早くに父を亡くした俺は母一人子一人で暮らしてきた。
母への思いは人一倍だった。
そんな俺と母に降りかかった悲劇と
俺がヤクザと呼ばれるようになった経緯を
ウィスキーのボトル片手に語らせてくれ。頼む。
実家の玄関を出ると道を挟んだ向こう側に二階建ての間口が広い平べったい造りの建物がある。
くすんだ壁の色は年季を伺うことができる。
俺が生まれる前、祖父の代からあるのだから当然だ。
一階部分はガレージになっていて、
そこに並んで駐車している軽トラックも建物同様に、かなり年季が入っていたが
車体は経営者の清廉な人柄が反映されているかのごとく
いつもピカピカに磨かれていた。
そんなガレージで忙しそうに動き回っている人影があった。
小柄な体つきの老いた男。
軽トラックに顧客へ納品する商品を運びこんでいる。
羽織った作業着の背には「サトウ産機」の文字が刺繍されていた。
「お疲れ~」