「性の風景‥窃視Ⅲ」
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(Ⅱより 承前)当時私が住んでいた倉庫の二階は 北側にも良い景色が見えました。南の肘掛けの高さの窓に対し 北側は腰から上の高窓です。窓の外には隣の平屋の屋根越しに 一軒先の二階家の二間が縦に見えます。若夫婦が住んでいて 旦那の方は技術屋らしく、窓際に製図板と椅子を置いてあります。私の部屋の北窓にはブラインドが掛けてあって 夜などブラインドの隙間からその家を見ると、灯りのついた室内が 製図板を置いた机の脚越しに見通せて、奥の和室に夜寝る布団が敷いてあるのまでハッキリ見通せました。
こう芝居の舞台のようにお膳立てが揃えば 「夫婦って云うものは 二人だけのときどんなことをするのか?」が気になるのは当然でしょう。私の勤務が昼で 夜家にいるときにはどうしても、ときどきブラインドの隙間から 様子を伺ってしまうのでした。あるとき 陽気の良い初夏の頃でしたが、 裏の家では窓を大きく開け放って 旦那は製図板に向かってお仕事です。夜10時頃にお勝っ手仕事を終わったらしい奥さんが上がってきて 旦那の脇に座って話しを始めました。静かな 良い風景です。
少し経ってまた覗いてみると 奥さんは旦那の左腿に凭