消防士・倉井

開く
2008-02-04

まず俺のスペックからさらしとくわ。名前は倉田、24歳男。フツメンでプチマッチョの彼女いない歴5年だ。職業は田舎の消防士。
消防士になりたい、って思ったのは高校一年のときだった。高校の部室棟で小火がでて、消防車がでる騒ぎになったんだ。うちの部室(おれは男バス)のとなりの女バスの部屋からすげえ煙が出ててさ、中から三人くらいの悲鳴が聞こえんの。
煙はすごかったけど別に火柱がたってるわけでもなかった。でも俺含め周囲にいた人間はビビって助けに入れなかったんだよ。
そこへ消防車がやってきた。現場を見るなり、助手席に乗っていたオッサン消防士がだるそうにおりてきて、部室棟の隅にあった消火器(誰も気づいてなかった)をひょいとつまんで煙の中に入っていき、中にいた女の子たちを外に放り出すと、手際よく火元を絶ってしまった。
事後処理がすんで消防車が帰っていくまで、オッサンの表情はずっとめんどくさそうだった。「こんな小火くらいで手間かけさせんなよな」とでも言いたげだった。でもそんな不遜な態度が少しも気にならないくらい、彼の動きは素早くて無駄がなかった。やや遅めの思春期まっさかり

お勧めの体験談