食卓の計略

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2006-12-08

 少しづつ本格的な冬が近づいていた12月のある日の事だった。
家で母親と夕食の準備をしていた時に妹は暗い顔で帰って来たのだった。

「おう。由紀お帰ぇりんごりら」
「ただいまんごりらぁ・・・・・・・」

 まるでカバンに鉄アレイでも入れているかのようなダランとした格好で自室へ向かう妹の姿があった。

「もうメシだよ」
「うん・・・・・」

 何だろう。やけに暗い面持ちで妹はそう言った。学校でなにかあったんだろうか。
そんな時だった。電話がけたたましく鳴った。

「はい、鈴原ですけど」
「あ、新ちゃん?」
「おう。サツキか」
「新ちゃん由紀ちゃん帰ってきた?」
「今帰ってきたよ。何かやけに暗い顔してたけどさ」
「由紀ちゃんさあ、今日告白して振られたんだよね・・・・・」
「え?マジで!?」
「うん。新ちゃんさあ、今日くらい

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