余命1年の親友に、俺の嫁を嫁がせて新婚生活させた3
----/--/--
日奈子と拓也は、結局、次の日の夕方前に帰ってきた。きっと遅くなるんだろうなとか、もしかしたらもう一泊するのではないか? などと考えていたのに、夕方のニュース番組が始まる前には帰ってきた。
『悠斗さん、ただいま〜。はい、お土産〜』
日奈子はそう言って、八つ橋を渡してきた。
「八つ橋? 嫌いって言ったのに」
俺は、激しい嫉妬と動揺を押し殺したまま、笑顔で楽しそうに言った。
「いや、それさ、普通のじゃないんだって!」
拓也が、笑顔で言う。複雑な気持ちのまま袋の中を見ると、それは、チョコバナナの生八つ橋だった。
「なんだこれ?」
俺が吹き出しながら言うと、
『高校生に大人気なんだって。キワモノっぽいけど、美味しいよ!』
そう言って、パッケージを開け始める日奈子。とても、拓也と夫婦として旅行をしてきたとは思えないくらいに、以前のままの感じの日奈子だった。でも、
『あなた、お茶入れるね。悠斗さんも飲むでしょ?』
と、拓也にあなたと言い、俺にさん付けで呼ぶ