マー坊

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2017-04-12

昔じいちゃんの行きつけの寿司屋にマー坊という板さんがいた。この人は独身なんだが子供好きで、私もよく遊んでもらってた。 

私が生まれた時にお祝いとして立派な人形をくれたらしく、長らく飾られていたんだけど、ある日をさかいになくなっていた。 

大きくなってふと思い出してその話を母にしたら、何とも言えない顔で、あの人形は捨てたと言われた。 

事情を聞くと、マー坊は大きな病気にかかり、余命わずかとわかった時に私と心中しようと家を訪ねてきたことがあるらしい。

なんとか説得して帰したがそれからすぐに亡くなってしまった。 

その後も惰性で人形を飾り続けていたら、私のアトピーと、とっくに卒業していたはずの夜泣きがひどくなり、その少し前から急に人形に怯え出していたので処分したら

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