教え子

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あれはもう3年も前のことです。私は35才でまだ独身で高校の英語の臨時講師をしてた時のことです。康子は私の受け持ちクラスの女子で私になつき、授業の時はいつも熱っぽい目で私の授業を一生懸命に理解しようとしていました。
生徒が教師に擬似的な恋愛感情をもつことはよくあることで、私はその康子の気持ちに火をつけることのないように注意していました。
 期末試験が近づいていました。
先生「わからないところがあるから教えて下さい」といって、その子が私のアパートに突然やってきたのです。
 私は乱雑な部屋に上げることに躊躇したのですが、「失礼します」といって私があわてるのもかまわずに上がりこんでしまいました。
そのとき運悪く週刊誌のヌードグラビアが机の上に開いたままになっていたのでした。
康子は「ふーん先生も男なんだ」と感情を殺した声でつぶやきました。そして、机の上に教科書を開いて「この文章の意味がよくわからないのですが‥」と私の椅子に腰掛けたのです。
 私は自然と彼女の肩越しに教科書を見ることになりました。そして、その距離に不覚


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