玲子との火遊び①
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昭和49年。長嶋が引退し、今太閤と呼ばれた総理大臣が金脈問題で退陣した年、僕は小学6年生だった。父親は大田区内で金属加工の工場を経営していた。典型的な町工場だったが、まだギリギリ羽振りも良く、人もおおぜい雇用していた。敷地内には、一家の自宅、独身者用の寮、家族持ち用の社宅とがあったが、流石にこの時期には狭くて古い寮社宅に住まう人はいなくなり、取り壊し寸前の空き家になっていた。そんな時だった。
4月のある日。両親から平田さん一家を紹介された。これから社宅に住まい、うちの工場で働くのだ、と。
平田さん、奥さん、そして玲子という女の子の3人家族。玲子は痩せていて背の高い女の子だった。今度6年生で僕と同じ小学校に通うという。母親が『同級生ね』と笑っていた。
それから暫くたって。玲子はクラスこそ違え、集団登校の班が同じだったから、時折、言葉を交わす様になっていた。玲子は大人っぽく少しアンニュイな空気感がある女子で、周囲の男子達からは話題になり始めていた。他の女子と違うのは、スカートの下にタイツではなくパンティストッキングを付けていたところ。子供心にどぎまぎしたものだ。