やっやめっ!やめてよしてやめてよしてやめてぼぼぼ
2009-10-12
「聡美、やっぱり止めようよぉ」
長い髪を三つ編みにしたブレザー姿の少女が、同じくブレザー姿の同級生の後ろ
から声をかける。
「近道なんてしないで明るい道で行こっ。ねっ?」
小走りで駆けながら、哀願するような口調で頼み込む。
「いい加減すごく遅くなってるのよ。これ以上のんびりしてられないわ」
シャギーにした髪を揺らせて走りながら、硬質な美貌を持つ少女がやんわりと
答えた。なにしろ田舎のローカル線で、一本逃すと30分は待たされるのだ。
「でもでも、ものすごく暗いよ?」
明日香は進行方向にある階段を見上げながら、怯えた表情でつぶやいた。 こ
の階段を200メートルほど上ればJRの駅につくのだが、街灯の数が少ない
のでかなり暗い。駅に着けば充分明るいのだが──木が茂っているので
ここまで光が届かないのだ。
「う