人妻小説が変わってきた
----/--/--
エロ雑誌に始まりエロ小説まで、官能文学の編集を長年務めてきたIさんと先日、お話する機会があった。
もう70歳を過ぎているが、今もフリーランスで現役だ。仕事も女も。
そのIさんが言うに、人妻もの作品に対する若い読者の反応が、このところ変わってきたんだそうな。
ちなみに彼の言う「若者」は、おおむね30歳以下を指すらしい。
昔から「一盗、二婢、三娼」と言うように、他人様の奥方に手をつけるのは男にとって無上の悦び。
だからこそ、人妻ものは官能文学の主流に近い位置を占めてきた。
ところが、バブルが崩壊した十数年前くらいから、人妻ものを見る若い読者の目が変わってきたという。
具体的には、亭主以外と同衾する人妻を「スベタ」「肉便器」と貶め、亭主に同情する奴が増えてきた。
読者の目線が「人妻を篭絡する男」から「妻が篭絡される夫」にシフトしたというべきか。
やたら道徳を振りかざして「ケシカラン」と叫ぶ、かつての官能小説読者にはあり得なかった反応だ。
といって最近の若者が道徳心に溢れているかとい