赤ずきん

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 むかしむかし、あるところに赤ずきんという女の子がいた。
 赤ずきんは礼儀正しく、優しく、誰からも愛される女の子だった。
 ある日、赤ずきんは母親に頼まれて森を抜けたところにあるお婆さんの家に
 お見舞いに行くことになった。
 母親は赤ずきんにこう言った。
 「外に出たら誰も信用してはいけませんよ」
 赤ずきんは元気な声で「わかったわ」と言った。

 赤ずきんが鼻唄を歌いながら、森を進んでいると
 一匹の狼が寝転がっているのに出会った。
 「狼さん、そんなところで何をしているの?」
 赤ずきんが尋ねると、何年も体を洗っていないような不潔な臭いとともに狼が答えた。
 「何もすることがないから、こうして昼寝をしているのさ。
  お嬢さんはどちらへ?」
 赤ずきんは答えた。
 「森の奥にお婆さんが一人で暮らしているの。
  私はこれからお婆さんの家にお見舞いに行くのよ」
 狼はニヤリと笑った。


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