片思いだった中学の時の同級生と再会して・後編
2017-02-05
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あれから何日過ぎただろうか。
壊れた映写機が同じ場面ばかりを繰り返し写し続けるように、あの日の出来事は絶えず私の脳裏をかすめていた。
それを私は飽きることなく見続けていた。
その反面で、早くそのシーンがセピア色に褪せてしまう事を願っていた。
私はもう、望月みちるではない。
紺野くんに想いを寄せていてはいけないのだ・・・。
私はその場面を消し去ろうと、毎日の家事や仕事に没頭していた。
そんな折、何かの悪戯だろうか。
主人の一泊の出張が決まった。
私は主人が出掛けるのを待つようにして、彼の携帯電話を鳴らした。
色褪せることを願っていたはずなのに、このコールが今彼の耳に届いているかと思うと、あの場面は色付き息を吹き返すのだった。
「もしもし・・・」
彼の声。
「もしもし、望月です。会いたいの、今すぐ会いたいの」
電話の向こうから聞こえていたノイズが消えた。
彼は静かな場所に移動してくれた