キャバ嬢を愛して11【完結】
2009-11-07
エピローグ
千佳と『春菜』。
俺の出会った最高の女性が持つ、ふたつの顔。
似て非なるふたつの存在。
誰もが幾つもの顔を持ち、それを使い分けながら生きている。
特別なことではない。
ただ、キャバクラという場所が、それぞれの顔を際だたせる舞台だったということに過ぎない。
俺は俺であり、課長であり、Eさんであり、ふっくんでもある。
『京香』さんも京子ちゃんであるし、田上さんもたーちゃんだったりする。
小西は未だに『リサ』で居続けているし、極めて裏表の少ない平田だって、クライアントの前では「宣伝営業部2課の平田」になる。
いまひとつ頼りない部下の小林だって、家に帰れば2児の父として、頼もしい存在振なのだろう。
誰だってそんなものだ。
年内一杯で千佳は『春菜』であることを辞め、そして、春には斉藤千佳から江口千佳に名前が変わった。
今でもたまに田上さんの付き合い