婚約してた彼女の浮気現場を垣間見て・後編

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2015-09-21

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階段を上がった先は左右二つの部屋に分かれている。
一つはピアノの個人レッスン用、一つはリトミックといって、早い話が幼児の音楽教室用で、幼児は踊ったりするための広い部屋だ。
結衣が飾り付けをするのもそこだった。

リトミック用の部屋の扉は少し開いていたため、俺は階段の一番上から一段下がったところに座り、そこで部屋の中の音を聞こうとした。

男女の声がした。
結構テンションが高く、お酒が入っているのかな、と思わせるようだった。
最初は話の途中だったために、何を話しているのか判らなかったが、途中から話が変わって結婚の話になった。
扉は真ん中の部分がガラス張りになってるため、そこからそっと覗くと、両者とも扉に背を向けた形でL字形に座っていた。
一瞬だけ覗いて、すぐにまた階段に座った。

「あーあ、俺ももうすぐ結婚だわ」

一度しか会ったことがないので、確信は持てないがおそらく晃一の声だった。

「なんでー、嫌なの?結婚っていいと思うけどなあ」


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