T子
2010-09-05
僕が小学6年生の時のクラスに、女だけれどとても体の大きい「T子」という乱暴者がいました。そいつは、女の子の中のリーダーになり、男子をいつもいじめてばかりいました。そいつの親父さんというのが、いわゆる「ヤクザ」屋さんで、サングラスでベンツに乗り回す、恐いオジさんだったのです。僕も町で何度となくT子の親父さんの姿を目撃していました。
T子はとにかく、気に入らないことがあると、きまって近くにいる男子を呼び出して、適当に因縁を付けていじめました。
僕も2学期のある放課後、一旦校門を出た後、忘れ物をしているのに気付き、友達のKを待たせた上で、一人で教室に戻ったところ、T子とその仲間が残ってダペッている所にばったりと出くわしてしまいました。
気まずい思いで机の中に置き忘れた宿題のプリントを取り出し、ランドセルにしまい教室から出ようとT子たちの前を通過しようとしたところ、いきなり足を掛けられ、僕は大きく転倒させられてしまいました。
T子たちの大爆笑を耳に僕は顔を真っ赤にして、
「イテエなあ、なにすんだよぉ。」
と、精一杯