チビ姉

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2005-06-25


俺がまあそこそこの熱意を持って柔の道を歩んでいたころの話。
その日は地域交流もかねた近隣校柔道部の練習試合で、
夏の総体連(本戦)がまじかに迫る七月のクソ暑い空気の中、
百数人分の漢臭が充満する町内道場で俺はヒィヒィ言わされていた。
変な意味ではない。
凄まじい練習メニューを強いられた上での、各校のクラブ顧問達との試合形式。
それはもう、練習と言うよりイジメに近い。
「イィーッポン♪」
こんな軽~い調子でバシバシ畳みに叩きつけられ続けて早十数回目。
「……ちょ……先生……も、マジ……カンベンして、下さい」
「そやな。ワシも疲れてきたし、五分ちょい休憩な」
―――クソジジイ。汗一つかいてないやろが。
しかし、やっと訪れたクーリングタイムにホットホットしていては本末転倒なので、
俺は水道水を貪るべく水飲み場へと向おうとした。
そこで

「タケせんぱいファイトー!」

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