高校生になって

開く
----/--/--

私は小学校から高校まで一貫校に通っていた。中学までは父の会社が学校の近所にあったので父と2人で電車に揺られて通学していたが、高校に上がってすぐ会社の場所が移動して一緒に通学できなくなった。
初めて1人で乗る電車は普段と何ら変わらないのに不安で仕方がなかった。それまで父に守られていたのが1人になって何とも心細い気持ちでいるとそれに追い討ちをかけることがあった。その日は雨が降っていていつもより駅が混んでいたがいつもと同じ快速電車に乗ることができた。この電車に乗ると学校の最寄駅まで乗り換えなしで行けるのだ。周囲は仕事に向かっている会社員や私と同じような学生などがひしめき合って乗っていた。
私はいつも扉横の手すりに寄りかかって窓の外を見ていたところ、途中の駅で多くの人が乗ってきて周りにいた人と密着した。正直、父以外の男の人と密着するのは不快でしかなかったが、我慢して最寄駅に着くのを待つことにした。
駅と駅の間で電車がゆっくりと走るようになり、車掌の案内によると前の列車がかなり遅れていると言うのだ。周囲は少しざわついたがかなり余裕を持って通学をしているので特に気にすることは


お勧めの体験談