姉のお産

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2008-09-24

桜の咲く頃、毎年思い出す。 
4つ違いの姉がお産のために里帰りってことで家にいたので、 
夜中に産気づいた時に、俺が車で産院に連れて行くことになった。 
義兄は時間的に来る方法がなく、俺は運転手兼メッセンジャーって格好で、 
とりあえず母と一緒に付き添うことにした。 
夜勤の看護婦さんに「感心ね。よく勉強しとくのよ」と言われて恥ずかしい。 
まず準備室ってとこに入り、陣痛間隔が縮まって来るのを待つ。 
お腹に小さい心音マイクを付けて機械で間隔を測っているんだけど、 
陣痛が来ると機械の表示を見るまでもなく分かるんだ。 
とたんに姉が歯を食いしばり、目をぎゅうっと閉じて、ベッドの頭の所の鉄棒を 
握った手にもの凄く力が入る。鉄製のベッドがきしむ。 
食いしばった歯から声が漏れる。目に涙がにじむ。 
何回目かに、掌から血が出て来

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