昭和の「ダフニスとクロエ」

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2018-03-31

 昭和の「ダフニスとクロエ」 春編  

 「ダフニスとクロエ」は、2世紀末から3世紀初めにかけて古代ギリシャ語で書かれた美少年と美少女の純真な恋物語。作者はロンゴスと言われているが、生年や没年は分かっていない。
  物語の内容は、森の中で山羊に育てられていた少年ダフニス、ニンフの洞窟で羊に育てられていた少女クロエ。二人とも捨て子だった。二人ともそれぞれ山羊飼いと羊飼いの夫婦に拾われ育てられた。やがて二人は知り合い、幼い純真な愛を育んでいった。   
 この物語を世界的に有名にしたのがフランスの作曲家、モーリス・ラヴェル(一八七五~一九三七)であった。バレエ団を率いるディアギレフの委嘱でバレエ曲「ダフニスとクロエ」を作曲し、一九一二年にパリで初演され、大成功をおさめた。のちにラヴェルはこのバレエ曲の一部を抜粋して管弦楽組曲「ダフニスとクロエ」第一組曲、第二組曲を作曲した。  この組曲は「ボレロ」「亡き王女のためのパバーヌ」「スペイン狂詩曲」と並んでラヴェルの管弦楽曲の主要な

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