「原発止めたら電力不足」とか嘘だから

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2011-05-12

広瀬隆 特別インタビュー
「浜岡原発全面停止」以降の課題 

菅直人首相が浜岡原発の全原子炉停止を中部電力に要請し、日本のエネルギー政策が大きく軋み始めた。これから脱原発の流れは加速するのか、夏季に向けて電力供給に支障は生じないのか。原発とエネルギー問題に詳しい作家・広瀬隆氏に語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド社論説委員 坪井賢一)

――これまで広瀬さんは原発の危険性、とりわけ浜岡原発の危険性について警告してこられましたが、今回の運転停止をどう受け止めていますか?

 この問題は『原子炉時限爆弾』(ダイヤモンド社)で、私も著書を通して訴え続けてきた一人なので、まず何よりも菅首相の決断を讃えたいです。新聞やテレビの報道では「拙速な要請」「唐突な発表」などの論調が目立ちますが、東海地震はいつ起きてもおかしくないわけですから、国民の安全を考えれば即刻止めるのは正しい判断です。

 そもそも、2006年1月に「東海地震が今後30年間に起こる確率は87%」と公表したのは政府の地

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